天なびコラム

第6318話

2018年02月13日

風の流れ

ここ最近の天気図によると、顕著な西高東低の冬型の気圧配置の日が多く見られる。

先日、福岡県を訪ねた時であるが、目を覚ますと窓の外は真白な雪に包まれていた。その日は10時頃から北西風が強まり、地吹雪が見られる荒れた天気となった。ふと見た、地面や屋根に積もった雪が巻き上げられる様子より気流の流れを感じた。このような思いは、地吹雪を見た時だけにとどまらず、冷たく乾いたアスファルトの上に雪が降っている時にも感じられた。地表面付近の気温は極めて低く、降ったばかりの雪は溶けることは無い。この時、5m/s以上の風が吹いていたと思われるが、降ったばかりの雪が風に流されていく様子が見られた。注意深く観察すると、30cm程の細い紐くらいのスケールで雪が集まりしばらく弧状のまま前進していった。このような様子を見ながら、この30cmくらいのスケールが数十kmにもなると、突風災害を引き起こすガストフロントになるのだろうと想像を膨らませていた。

普段何気ない風であるが、可視化することで新しい発見や出会いに結びつくのだろう。


執筆者:阿波狸