天なびコラム

第6323話

2018年02月18日

イタズラ

先日山間の道を車で走っていたときのことです。
私の前に1台の車が走っており、後ろをついていく形で走っていました。
天気の良い昼過ぎで日向と日陰が繰り返す中走っていたのですが、ふと前の車が周囲より暗く感じたのです。
最初は日差しの反射が目に入り暗く見えていると思ったのですが、視線を移しても他は暗く見えないのです。
前を走る車だけが暗いのです。
自分の眼や頭に不安を感じ出したその時です。
前の車から暗さがスッとズレ出したのです。
そこでやっと気付きました。
なんと車と同じ位の雲の影が車と同じ速度で移動し、車にかかっていたのです。
時間にすると十秒も無かったのかも知れませんが、余りの出来事に非常に長く感じました。
確かに風の強い冬場は雲の移動速度も速く、車程の速度は珍しくはありません。
しかしまさか雲が車に丁度影を落とし続けるとは思いも寄りませんでした。
思わぬ空のイタズラに、驚かされた昼下がりでした。
因みに車を覆う暗さは怪奇現象のように見えなくもありませんでした。


執筆者:シゲル