天なびコラム

第6382話

2018年04月18日

花信風

4月も半ばを過ぎました。今年は桜の開花が早く、東北でもすでに葉桜になっているところもあるようです。でも花は桜だけではありません。ハナミズキや藤、シャクナゲ・・・など桜のあとに見ごろになる花はたくさんあります。
ところで初春から初夏にかけて吹く風を「花信風(かしんふう)」ということがあります。「いま、この花が咲いたよ」といった便りを「花信」といいますが、その開花を伝えてくれる風というわけです。
この風の由来は中国の暦です。小寒から穀雨までの八節気を二十四候に分けて、それぞれの時期に咲く花を知らせる風を「二十四番花信風」としています。これによると今日の風は二十一番目の「柳」の開花を知らせることになります。花びらがないので目立ちませんが、お近くにあればご覧になってみると良いでしょう。そして明後日の穀雨を迎えると牡丹が咲いていることを告げる風が吹くことになります。
もちろん場所や年ごとに二十四候とそれに対する花は一致しないこともあります。でも咲く花を風で感じ取ることができれば素敵なことです。さて、みなさんがいま感じる風はどんな花便りを運んできているでしょうか。

執筆者:西