防災の知識をもう一度振り返ろう

今年は大阪府北部地震、平成30年7月豪雨とわずか1ヶ月の間に災害が立て続けに発生し、これまでの教訓が生かされず大きな被害となりました。
今後起こりうる災害に備え、正しい防災の知識をもう一度見直してみましょう。

2018年に起きた災害

大阪府北部地震

6月18日午前7時58分、大阪府北部を震源地としたM6.1、最大震度6弱の地震が発生しました。 津波による影響はなかったものの、ライフラインの停止のほかブロック塀の倒壊や建物による被害が相次いで確認されました。

人的・建物被害の状況(2018.7.5現在)

人的被害(人) 住家被害(棟)
死者 負傷者 全壊 半壊 一部破損
4 434 9 87 27,096

また、通勤・通学ラッシュ時の発生だったため交通機関に混乱が広がり、影響は帰宅ラッシュの時間まで続き帰宅困難者が続出しました。
地震の発生当初には震度1以上の余震が頻繁に発生し、震度3以上の揺れも複数回観測されました。

平成30年7月豪雨

6月28日から7月8日頃にかけて、台風7号および梅雨前線等の影響により西日本を中心に北海道や中部地方など全国的に広い範囲で記録的な大雨となりました。
多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、死者、行方不明者が多数となる甚大な災害となりました。

人的・建物被害の状況(2018.8.14現在)

人的被害(人)
死者 行方不明者 負傷者
221 9 387
住家被害(棟)
全壊 半壊 一部破損 床上浸水 床下浸水
6,093 9,731 3,682 8,878 20,086

また、上水道や通信といったライフラインに被害が及んだ他、交通障害が発生しました。
なお、気象庁はこの豪雨で岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県の1府10県に特別警報を発表し、最大限の警戒を呼び掛けました。

災害から学ぼう

特別警報

気象庁は大雨、地震、津波、高潮などにより重大な災害の起こるおそれがある時に、警報・注意報を発表して警戒を呼びかけます。 これに加え、特別警報は重大な災害が起こるおそれが著しく大きい場合に、警報・注意報の上のレベルで最大限の警戒を呼びかける情報です。

大津波の被害

特別警報が発表されたら、地元市町村の避難情報に従うなどただちに命を守る行動をとってください。あなたがお住まいの地域はこれまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況にあります。

平成30年7月豪雨発生時には、発表された大雨特別警報の意味を正しく理解されていなかったという現状があります。

特別警報の発表基準

現象の
種類
発表基準
大雨 台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、若しくは、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合
暴風 数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により 暴風が吹くと予想される場合
高潮 高潮になると予想される場合
波浪 高波になると予想される場合
暴風雪 数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により雪を伴う暴風が吹くと予想される場合
大雪 数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合
津波 高いところで3メートルを超える津波が予想される場合
(大津波警報を特別警報に位置づける)
火山 居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が予想される場合
(噴火警報(居住地域)を特別警報に位置づける)
地震 震度6弱以上の大きさの地震動が予想される場合
(緊急地震速報(震度6弱以上)を特別警報に位置づける)

どうやって知ることができる?

特別警報が発表された際は、テレビやラジオ・インターネットで通知されます。

天なびでもお知らせします

ハザードマップ

自然災害が発生した場合に被害が及ぶおそれのある地域や、避難経路・避難場所などの位置を地図上に示したものです。
平成30年7月豪雨では、ハザードマップで予測されていた地域が、実際の浸水域とほぼ一致し、精度の高さが話題になりました。

災害の種類によってそれぞれ以下のようなのハザードマップがあります。

  1. 1.河川浸水洪水マップ
  2. 2.土砂災害マップ
  3. 3.地震災害マップ
  4. 4.火山防災マップ
  5. 5.津波マップ
土砂災害ハザードマップのサンプル
ハザードマップ

土砂災害警戒区域

急傾斜地崩壊危険箇所

土石流の被害の恐れがある箇所

どこで見る事ができる?

ハザードマップは、自治体などで配布していたり、都道府県や市区町村のホームページで掲載しています。

また、国土交通省のサイトからも見ることが出来ます。

国土交通省ハザードマップサイト

※外部サイトへリンクします

ハザードマップを確認することで、自宅や現在地がどのような被害に遭いやすいかや、周辺の危険個所、近くの安全な避難場所がわかります。
いざという時に落ち着いて避難できるよう、どのような行動をとるか家族で事前に話し合っておきましょう。

自宅での地震対策

近年発生した大きな地震では、家具類の転倒・落下による被害が多く発生しています。 家の中での被害を最小限にするため、家具の固定や配置について確認しましょう。

タンス

タンス

L型金具を使って、直接ネジで壁に固定するのが最も効果の高い対策法です。

タンス

手軽に固定する場合は、ポール式器具で天井との間を突っ張りましょう。

ストッパー式器具などと組み合わせると、ネジでの固定と同等の強度になります。

照明

照明

吊り下げ型の照明は、揺れが大きいと落下する恐れがあります。

天井直付け型のシーリングライトにするとより安全です。

照明

買い替えずに固定させる場合は、金具を天井に取り付け、チェーンやワイヤーを通して固定しましょう。

テレビ

テレビ

ロープと金具を使って、壁に固定しましょう。

いずれもテレビの重さに耐えられる丈夫なものを選びましょう。

テレビ

手軽に固定するには、粘着マットをテレビとテレビ台の間に敷くと転倒を防げます。

テレビ台も、キャスター下皿を入れるなどして固定すると安心です。

ガラス窓

窓

薄いレースやカーテンを引いておくだけでも、ガラスの破片が部屋中に散らばるのを防げます。

窓

徹底的に飛散を防止するには、ガラス飛散防止フィルムを貼りましょう。

ガラスの両面に貼ると、飛散防止効果がより高くなります。

ベッド

ベッド

寝ているときに家具が倒れてくると、大変危険です。

ベッド周辺の家具は、配置する向きにも注意しましょう。

ベッド

時計などの壁に掛けるものを飾る際は、ベッドの周りの壁を避けると良いです。

ドア・玄関

ドア

避難のための出入口を確保するため、倒れた家具でドアが塞がれないように家具の配置にも気を付けましょう。

キャスターや引き出しの付いた家具も注意が必要です。

ドア

避難時用の防災グッズは、リュックなどにまとめましょう。

出入り口に近く、倒れた家具で取り出しにくくならない場所が良いです。

自然災害はいつ、どこで起こるかわかりません。大切な命を守るため、日頃から防災に対する意識を持ち、備えを心がけましょう。