防災の知識|大雪編
大雪とは?
大雪とは、特定の時間内に大量に降る雪のことです。
大雪が降ると、建物の倒壊などの物的被害や、農林水産関係の被害、交通機関の運転休止などの交通障害が生じる可能性があります。
また、雪崩や吹雪、除雪作業中の事故といった降雪中または降雪後に起こりうる災害にも注意が必要です。
雪の警報・注意報
大雪の警報・注意報
- 1.大雪特別警報
数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合に発表
- 2.大雪警報
大雪により重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに発表
- 3.大雪注意報
大雪による災害が発生するおそれがあると予想したときに発表
雪に関する注意報
大雪注意報のほかにも、以下のような雪に関する注意報があります。
- 1.風雪注意報
- 2.なだれ注意報
- 3.着雪注意報
- 4.融雪注意報
起こりうる災害に備えるために、また、交通障害に足止めされないように、事前に天気予報を確認して適切な行動をとることが大切です。
雪崩とは?
雪崩とは、斜面上にある雪や氷の全部、または一部が肉眼で識別できる速さで流れ落ちる現象のことをいいます。
雪崩には表層雪崩と全層雪崩があります。それぞれの特徴や発生する気象条件を確認しておきましょう。
表層雪崩
表層雪崩は、新しい雪の層が古い雪の表面上を滑り落ちる現象です。落下速度はおよそ時速100〜200kmになります。
気温が低く、降雪が続いている1月から2月に多く発生します。
全層雪崩
全層雪崩は、融雪や降雨によって、水で滑りやすくなった地表面上を積雪層全体が滑り落ちる現象です。落下速度はおよそ時速40〜80kmになります。
暖かくなってきた春先の融雪の時期に多く発生します。
雪崩から身を守る
雪崩は落下速度が速く、発生に気づいてから逃げ切るのは難しいため、前もって雪崩が発生しやすい場所や前兆現象を知っておくことが大切です。
雪崩が発生しやすい場所は?
- 1.急斜面
- 2.低木林やまばらな植生の斜面
雪崩の主な前兆現象は?
- 1.雪庇(せっぴ:山の尾根からの雪の張り出し)がある
- 2.巻きだれ(雪崩予防柵からの雪の張り出し)がある
- 3.斜面が平らになっている
- 4.斜面に雪の塊が多く転がっている
- 5.斜面にクラック(雪の裂け目)がある
- 6.雪しわ(しわ状の雪の模様)がある
吹雪による事故
吹雪とは、風に吹かれた小さな雪の粒子が雪面上を転動・跳躍、空中を浮遊する現象です。
吹雪が発生すると、視程の障害となるホワイトアウト現象が起こります。また、吹雪によって積もった雪の吹きだまりにも注意が必要です。
ホワイトアウト現象
吹雪の発生に伴い、視界が白一色になり、方向や地形の起伏が把握できなくなる現象をホワイトアウト現象といいます。
周囲の状況がわかりにくく、判断が遅くなるため、交通事故や遭難が発生しやすくなります。
吹きだまり
雪の粒子が空中を移動し堆積してできる吹きだまりは、特に障害物の風下に多く形成されます。
車が吹きだまりに埋まり、身動きが取れなくなってしまう、あるいは、出入り口が吹きだまりに閉ざされてしまうといった事故を引き起こす恐れがあります。
除雪作業中の事故
大雪による事故の中でも、除雪作業中の事故が最も多い死亡者数を出しています。実際に起こりうる事故の例を確認しておきましょう。
除雪作業中の事故の例
- 1.屋根から転落する
- 2.落雪に埋まる
- 3.水路に転落する
- 4.除雪機に巻き込まれる
- 5.作業中に発作がおこる
除雪作業中の事故防止
除雪作業中の事故は「慣れているから大丈夫」という油断から起こることが多いです。以下の注意事項を常に心がけ、作業を行う前からしっかりと準備をしておきましょう。
- 1.作業は2人以上で行う
- 2.どんなときでも油断しない
- 3.建物の周りに雪を残して雪下ろしをする
- 4.晴れた日ほど注意する
- 5.はしごはしっかりと固定する
- 6.命綱とヘルメットを着用する
- 7.用具の手入れや点検はこまめにする
- 8.携帯電話を持っていく