天なびコラム

第8544話

2024年03月19日

花粉症の歴史

今年も「花粉大量飛散」という見るだけで嫌な言葉が飛び交う季節になっています。
私は軽度の花粉症であまり苦しむことは無いのですが、周りの花粉症の方を見ていると気の毒だなと思います。

さて、「昔は花粉症は無かった」というのを聞いたことはありますか?
今の花粉症の状況を考えると疑わしく思えますが、これは本当で、日本で花粉症が報告され始めたのは1960年代だそうです。
そんな花粉症が今や国民病となるほどにまで増えている理由にはいくつかの説があります。

まず挙げられるのが花粉の飛散量の増加です。
花粉症の発症には花粉を吸い込んだ量が関係しているといわれています。
戦後スギの植林が大規模に行われたことによって飛散量が増えたことが原因というのが説の1つです。

また、大気汚染も原因の1つとして挙げられています。
花粉症の原因は花粉の表面や内部にある小さなアレルゲン物質ですが、花粉自体は大きくて人体の抗体まで到達できません。
ところが花粉が割れて小さくなると人体のより深くまで到達できるようになります。
花粉が割れるのは自然な状態でも起こり得ますが、大気汚染により空気中の汚染物質と接触することで格段に割れやすくなるのだそうです。
その結果として花粉症が増えているといわれています。

スギ花粉の飛散ピークは過ぎつつありますが、今度はヒノキ花粉が飛び始めそうです。
花粉症は去年まで大丈夫だった人も急になることがありますのでお気をつけください。


執筆者:ぴーる

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