天なびコラム

第7033話

2020年01月29日

伝説の温帯低気圧

1月も下旬。例年だと1年でもっとも寒い時期にあたり、強い冬型の気圧配置が続くことが多いのですが今冬は様子が違います。天気図をみると温帯低気圧が日本を通過中です。今月は低気圧が周期的に日本を通過する春のような状況になっています。
ただ過去にも温帯低気圧が冬に日本を縦断することはありました。中でも「伝説の温帯低気圧」である「昭和45年1月低気圧」はその名の通り、1月に日本に来襲しています。
今から50年前の昭和45年(1970年)1月29日に東シナ海で発生した温帯低気圧は発達しながら2月1日に千島近海に達しました。生まれたときの中心気圧は1010hPa程度でしたが、日本を去るときには960hPaと急速に発達して北日本や東日本を中心に大きな被害をもたらしました。
さて、なぜこの低気圧を「伝説」と表現したかといいますと、気象庁が名称を定めた温帯低気圧だからです。以下は気象庁ホームページからの引用です。
「顕著な災害を起こした自然現象について名称を定めることとしています。名称を定めることにより、防災関係機関等による災害発生後の応急・復旧活動の円滑化を図るとともに、当該災害における経験や貴重な教訓を後世に伝承することを期待するものです。また、各地域で独自に定められた災害やそれをもたらした自然現象の名称についても、後世への伝承の観点から利用し普及を図ることとしています。」
いかがでしょう。つまりこの低気圧は気象庁公認の伝説の低気圧というわけです。同じように名称がつけられたものとしては「伊勢湾台風」「昭和38年1月豪雪(サンパチ豪雪の名で知られる)」「平成30年7月豪雨」などがあります。名称づけられている台風や豪雪、前線が複数ありますが、温帯低気圧によるものはこの昭和45年の低気圧が唯一です(2020年1月26日現在)。
50年前もこの伝説の低気圧の影響で暴風や季節外れの大雨が降りました。さすがに今、通過している低気圧は伝説には及ばないと考えられますが発表される気象情報にご注意ください。
ただ、伝説にしたいという思惑があるにしては名前にインパクトがないように感じます。「昭和45年1月低気圧」の字面をみても「伊勢湾」のような個性的な表現や「豪雨」「豪雪」といった危機感がある文字が使われていないからだと思いますが・・・。みなさんはどう感じますか。また何か良い名前は思いつきますか。

執筆者:西

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