天なびコラム

第2834話

2008年07月31日

快適な車内

朝の通勤で「(自宅)→徒歩→列車→徒歩→(職場)」と移動していますが、大阪ではこのところ朝から30℃を超えていますので、少し歩くだけでも汗だくになってしまいます。
この通勤の間、快適なのは冷房の効いた列車なのですが、冷房車が登場したのは昭和11年(1936年)のこと。現在、和歌山と大阪を結んで走っている南海電鉄が最初だそうです。本格的な運用は翌年の昭和12年からのようですが、好評であったために、冷房のない他の車両よりも逆に暑かったという裏話がありました。

現在、近郊列車では車両のほとんどが冷房車になっています。さらには弱冷房車(関西では弱冷車と表記される場合も)という、冷房温度を高めにした車両もありますね。冷房の効いた車内で温度計を見てみると、23〜25℃くらいになっていることが多いようです。一方、弱冷房車では25〜28℃くらいになっています。運行事業者や乗客数などによって変わりますが、確かに、温度に違いがあります。
屋内と野外の温度差は5℃以内が良いと言われますが、一般の冷房車では寒く感じて、弱冷房車の方を好む方も多いようですね。使い分けができるならば、短距離を乗るときは冷房車、ある程度の距離を乗る場合は弱冷房車にするのが良いかも知れません。これは贅沢でしょうか?

ところで、先日乗った列車は天井に扇風機の取り付けられたものでした。今でも残ってるのかと懐かしいような気分になりました。冷房車と違って、風の届かない位置では結構暑く感じますが、車外との温度差があまりありませんから、これなら冷房病にはならずに済みますね。
実はレトロなものほど人に優しいのかも知れないと思ったのでした。


執筆者:八鬼