天なびコラム

第3858話

2011年05月21日

ほっとした気持ち

今週は、梅雨の沖縄・奄美地方を除いて、比較的安定した晴れの天気が多かったですね。この時期の紫外線はかなりキツイですが、緑が多くなった木々に陽が当たってまぶしく感じて、少しほっとした気持ちになります。

今日は二十四節気の一つ、小満(しょうまん)。もうすぐ麦の収穫を迎える時期で、麦の穂が実る頃の季節、つまり麦秋(ばくしゅう)として知られます。麦の実りの秋ということで麦秋だそうですが、農家の方にとって、その実りを見て収穫が見込める様子に「ほっとした気持ち」になるということから、「小さな満足を覚える季節」つまり小満になったと言われています。

麦に限らず、小満の頃は、蚕(かいこ)が桑(くわ)を盛んに食べ始める頃(蚕起食桑;かいこおこってくわをくらう)という季節の言葉があったり、五穀豊穣を願うお祭なども催されたりします。動植物の成長は気候に左右されるだけに、無事に実って大きな満足が得られるように、という先人の切実な願いが、これらの季語やお祭に込められているのでしょう。


執筆者:さくら