天なびコラム

第6447話

2018年06月22日

地球のサイズを測る

前回に続いて、夏至・南中ネタを引っ張ります。
「地球一周4万キロ」と言われるように、地球の子午線の全周長が約4万kmであることはよく知られていますが、一体いつごろ誰がどのようにして調べたのでしょうか。

科学史上では、最初に地球の大きさを測ったのは、古代ギリシャ出身の学者・エラトステネスで、紀元前240〜230年頃とされています。エラトステネスはアレクサンドリア(北緯約31.2度)の図書館長を務めましたが、古代エジプトの膨大な書物を読み漁るうちに、南方のシエネの町(現在のアスワン、北緯約24度)では、毎年夏至の日の正午に太陽の光が深い井戸の底まで届く、すなわち南中高度が90度となることを知りました。

アレクサンドリアの夏至の南中高度が鉛直より南に7.2度小さいことは日時計から分かっていたので、地球が凡そ真球で太陽光線が平行に注ぐとすれば、あとはアレクサンドリアとシエネの距離を50倍するだけで、地球の全周長が求まります。
アレクサンドリアとシエネ間の距離を、往来するキャラバン隊の平均移動日数から5000スタディア(←当時の単位。現在だと約800〜900km、諸説あり)と見積もって、地球一周の子午線長を25万スタディア(同4万〜4.5万km)と推定したのでした。
2000年以上も昔から、シンプルな方法でわりと精度良く地球の大きさが調べられていたとは驚きです。この偉業は、進学校の中学の入試問題でも見かけるほどです。

現代の地球科学では、地球を回転楕円体とみなして赤道半径6378.1km(極半径6356.775km)という値を使いますが、もっと大雑把な計算では、半径6371kmの真球と近似することも多いようです(地図サイトの距離測定など)。
つづく(かも。今宵はここらで良かろうかい…。気張れ!!チェストォーーッ!?)

執筆者:風来坊