天なびコラム

第6533話

2018年09月16日

1年1回では済まず

ちょうど5年前の2013年9月16日、運用が開始したばかりの「特別警報」が初めて発表されました。
「数十年に一度の大雨です、ただちに命を守る行動をして下さい」というようにニュースで読まれたことを覚えています。

例えば大雨特別警報の場合、50年に一度の降水量になることを目安に発表が判断されます。
単純な私は「47都道府県あるから、毎年1回程度のペースで、どこかの都道府県で発表される」と想像していました。
実際には、都道府県単位では5年で20回以上と、安易な想像をはるかに上回る発表がありました。

特別警報は予想の段階で発表される可能性もありますが、これまでのケースのほとんどは観測に基づいて判断されました。
つまり、発表された時点ではすでに危機的な状況にあるということでした。
その時点ですでに避難済みであることが求められていた、と言うこともできるかと思います。

残念ながら天気予報や防災情報には限界があり、このような事実は今後も変わらないと考えられます。
普段天気予報を見る時と、非常時に命を守る行動をとる時とでは、頭を切り替える。
言葉では簡単ですが、このような意識も防災・減災に繋がるのではないでしょうか。



執筆者:えのきー