天なびコラム

第6597話

2018年11月19日

ミナナムの秘密

いよいよ富士山の山頂が雪に覆われ、見慣れた姿になってきました。
このコラムを書いている今、ライブカメラを見ると、秋特有の濃い青空をバックにそびえる富士山の姿がありました。
純白と濃青のコントラストは良い意味で強烈です。

最近、富士山のお姿をゲームの世界で再現しようと躍起になっています。
国土地理院の地図を参考に、立体的な富士山の形を組み立てようと、まるで3Dモデリングのようなことをしています。
設計図を作っている最中に気になったのが、「五合目まで車で行きます〜」「今八合目まで登りました〜」などとよく言われるけれど、○合目とは何なのか?ということ。
地理院地図にも、一合目からおおよその位置が記載されています。
富士山は好きですが登山経験はない…お陰で富士山知識が偏ってしまった自分を戒めながら、3776mの中に隠された富士雑学を調べました。

富士山は十合目まであり、高さの10等分?距離の10等分?と何となく思いがちですが、単純なものではありません。
諸説ありますが、登山の難易度を考慮して10区間に分けていると言われています。
その為、なだらかな区間は距離が長かったり、登山口によって同じ合目でも標高が違ったりしています。
ちなみに、「合目」という呼び方になった理由は更に諸説あります。
米を升からあけた形が富士山に似ていたので升目を使って一里を一合とした、登山の苦しさを人生の苦しさになぞらえた梵語の「劫(ゴウ)」が変化した、山頂のことを御鉢・供え物の米を御鉢料と呼ぶことから米にたとえられた、などなど。

なお、日本の標高は東京湾の平均海面を基準にしています。
富士山の3776mも、ここからの高さを表しています。
富士山の最高峰である剣ヶ峰には国土地理院設置の二等三角点があり、厳密な標高は3775.63mです。
しかし、そのすぐ近くには三角点よりも高い“真の最高地点”が実はあります。
その標高は3776.2m、いずれにせよ四捨五入すると3776mですね。

ちょっとした富士山用語にも、これだけ深いルーツがありました。


執筆者:そふぃー