天なびコラム

第6715話

2019年03月17日

気象レーダーの種類

スマートフォンの普及により、手軽にリアルタイムで気象データを閲覧することができる。専門の知識がなくとも、雨雲がどの地域の上空にあるのかが分かる。この容易に閲覧できる高解像度レーダーの画像は、少なくとも2種類のレーダーを用いている。CバンドドップラーレーダーとXバンドMPドップラーレーダーである。前者は気象庁が全国に、後者は国土交通省が新幹線沿いを中心に配置・整備している。

ここでCバンドとXバンドの違いはレーダーから発射される電波の波長で、前者は約5cm、後者は約3cmである。Cバンドのレーダーは、Xバンドに比べて降雨減衰(降水により電波が遮られる)の影響が少なく、また遠方まで探査できる利点がある。それに比べてXバンドは波長が短いため空間分解が高く、降水の領域をより細かく捉えることができる。

スマートフォン・PC版の天なびで提供している高解像度レーダーは、少なくともこの2種類のレーダーの長所・短所を組み合わせて描画させているのである。




執筆者:阿波狸