天なびコラム

第6931話

2019年10月19日

風台風か雨台風か

これからどんどん寒くなってくるんだな、と思うだけで震え上がりそうなめておんです。

先週の週末に台風19号が日本列島を襲いましたね。
気象庁が上陸の3日前から会見を行うなど、非常に早い段階から全国で台風19号に対する警戒意識が高まっていたのではないでしょうか。
しかし、10月17日午前の時点で、全国で77名の方が死亡、10名の方が行方不明、346名の方がけがなど、残念ながら命を落とされたり、被災されたりした方々がいらっしゃいます。
ご冥福と一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

台風19号が上陸する前にさかのぼって、今回の台風19号を振り返ろうと思います。
今回の台風19号は大きく、衛星画像で見ると台風の雲が日本列島を覆ってしまえるのではないかと思われるほどの大きさとなりました。
また、中心気圧が低かったことと、9月上旬に千葉県を中心に被害をもたらした台風15号の印象もあってか、またこの前のような風が吹くのではないのかと思われた方も多かったことでしょう。
台風15号と台風19号の1000hPa以下の範囲の大きさを比較するような図まで作成されていたり、台風上陸前に養生テープが売り切れるという事態も発生していたりしましたね。

台風上陸前の突風による被害はあったものの、今回の台風19号で甚大な被害をもたらしたのは大雨の方だという印象が強いです。
10月16日午後の時点で、全国で59河川、90か所で川の堤防が壊れる「決壊」が発生していたことが確認されています。
通り過ぎた後の結果論にもなるかもしれませんが、台風15号は「風台風」であったのに対し、今回の台風19号は「雨台風」だったのではないでしょうか。
台風15号は大きさとしては小さいものの気圧の勾配が大きいために局所的に強い風が生じやすい台風であったのに対し、台風19号は大きく広い範囲で持続的に降水をもたらすことで大雨被害が発生したのではないかと考えられます。

今年の台風シーズンはそろそろ終わりが近づいています。
次回接近する台風は来年以降になるかもしれませんね。
きっとこのコラムをお読みになる皆様は、正しい気象学の知識によって台風対策をなさるであろうと信じております。
また、これからは冬が近づいてきますので、体調にはくれぐれもご注意ください。


執筆者:めておん