天なびコラム

第6978話

2019年12月05日

張り切りエアコン

10月の上旬、まだ気温が安定せずに暑い日と涼しい日が繰り返されていた時期のある日。
1週間ぶりぐらいにエアコンの冷房を入れると、1〜2時間経った頃、電源は切っていないのに冷気の吹き出し口がいつの間にか閉ざされ、全く動いていませんでした。
リモコンで色々操作をしても微動だにせず、軽く掃除をしても無駄…見事にエアコンが故障しました。

業者さんに確認してもらいましたが、温度調節機能も不全でただ風を送っていただけのような状態だったらしく、結局新しくすることに。
マンション備え付けのものなので、無償での交換ということで喜んで了承しました(笑)

そして新しいエアコンが来てから初めての冬がやってきました。
新品かつ手狭な部屋だからか、設定温度を低めにしても比較的部屋がすぐ暖かくなり、問題なく使えています。
しかし、部屋の湿度計がこれまでのエアコン使用時よりも心なしか低いような。
加湿空気清浄機を稼働しても40%台前半…旧エアコンの時は60%前後を維持できていた記憶があるのですが、新エアコンさん、張り切り過ぎやしませんか。

エアコンの暖房を付けると乾燥するというイメージは確かにありますが、室内の水蒸気量はエアコンを使ってもほとんど変わりません。
空気は水蒸気を含むことのできる量に限度がありますが、温度が上昇するとその限度も上がります。
気象学でも出てくる「飽和水蒸気量」です。
暖房によって室温が上がると、飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合、つまり相対湿度は下がっていくのです。
絶対的な水蒸気量が変わらなくても、相対的な水蒸気量が下がると人間は乾燥を感じるそうです。
因みに、石油ストーブやガスストーブだと乾燥を感じないのは、燃焼と一緒に水蒸気も発生するためですが、水蒸気量が増えて結露が発生しやすいという欠点もあります。

ということは、湿度がこれまでよりも下がるのは、新エアコンが張り切り過ぎというより、新エアコンがしっかりと室温を上げている証。
温度調節がままならない状態だった旧エアコンは、室温を上げるというよりも、生ぬるい風を送り続けて風に触れることで暖かく感じていただけだった可能性が?
何とか冬本番に間に合って良かったです…。

エアコンの機能が乾燥させる犯人ではないということで、少し安心しました。
あとは、加湿の方法をもう少し見直して、新品のエアコンを上手く使っていこうと考えます。


執筆者:そふぃー