天なびコラム

第6980話

2019年12月07日

人から機械へ

12月に入り一週間が過ぎようとしています。今日は二十四節気の「大雪」。雪の便りが広く届くようになり、冬らしい寒気が流れ込むようになりました。
ところで先日、ある地方気象台の露場(気象観測を行うところ)を一年ぶりに訪れると、そこには今までにはなかった観測機器が建てられていました。現象判別式視程計という代物です。これは視程(見通し)を計測するだけでなく、天気も自動で判別します。
今まで地方気象台ではだいたい9時と15時に人が空を見て天気の観測をしていましたが、業務の効率化を図るためその役割を機械にしてもらう方向で進んでいます。すでに関東地方の気象台では東京を除いて自動化されており、他の地方も近々同じ道を歩みます(管区気象台など大きなところでは有人観測が続きます)。
降雨の有無は機械でもわかりそうですが、「晴れ」と「曇り」の区別がどうしてできるのか不思議ですが、気象衛星で観測している雲のデータなどを上手く組み合わせれば、人が観測して判断する場合と精度は大きく変わらないそうです。少し寂しさを感じるとともに「こんなことまで機械でできるようになったのか」とあらためて驚嘆します。
気象の世界で人が担うことはこれから大きく変わっていきそうです。機械ではできないことで価値のあることを探す必要がありそうです。
とりあえずコラムの連載はまだ人の力が必要とされています。機械に取って代わられるまでは続けられそうです。

執筆者:西