天なびコラム

第7030話

2020年01月26日

秋田名物「いぶりがっこ」

先日、秋田に行ったときに「いぶりがっこ」という漬物を食べてきました。これは大根を燻製にした漬物なのですが、同じ大根を使った漬物である「たくあん」と比べても、水分量が少なく、ぱりぱりとした食感をしています。噛めば噛むほど燻製の香りが口の中に広がり、燻製好きにはたまらない一品でした。

発祥の地である秋田県横手市は雪の日が多く、天日干しで漬物用の大根を十分に干せないため、暖炉裏火の熱と煙を利用して燻すという方法が広まったそうです。燻製にすることで水分が抜け、この地域の保存食としても親しまれてきました。

秋田の方言で、漬物のことを「がっこ」と呼ぶことから、燻した(いぶり)漬物(がっこ)で、「いぶりがっこ」と名付けられたそうです。

地方の名産品は、その土地の気候が深く関わっていることが多く、調べてみるととても興味深いです。

一方で、横手市の積雪は例年であれば60cmほどあるそうですが、今年は0cm。横手市は「横手のかまくら」で有名ですが、山間からかまくら用の雪を集める作業に追われています。このまま温暖化が進めば、名産品が作られた時代と現在では気候が異なるという現象が各地で起きてくるかもしれませんね。


執筆者:ドローン