天なびコラム

第7031話

2020年01月27日

関東の鉄道と雪

列島の南に前線が長く伸び、ここ数日は太平洋側でもスッキリしない天気が続いています。
このコラムの執筆段階では、雪の可能性も示唆されています。

関東&雪となると、雪の程度に関係なく「あ、絶対電車が止まるな」と察するのは、関東人なら誰もがあることでしょう。
ご存知の通り、首都圏の交通機関は、とにかく雪への耐性がありません。

これには色々な原因があります。
まずは雪対策への資金面。
以前に比べれば列車設備への雪対策が進んだようですが、それでも東京での積雪は年に1〜2回で、強固な大雪対策を講じても効率が悪いのが現実です。
続いては過去に起きた雪絡みの列車事故の教訓。
直近だと2014年にも雪によるブレーキトラブルが原因の追突事故が発生し、これを機に降雪時の間引き運転や速度規制の厳格化が進みました。
何故間引き運転なのか、それはラッシュ時の本数が特に多い首都圏だからこそで、車間距離を平常時よりも広げて立ち往生を防ぐためとされています。
止まってしまうと、その間にも雪が積もり、他の設備の故障にも繋がりかねないからです。
結果的に事故は防ぎ、完全に運転停止する事態は減ったかもしれませんが、混雑は逆に増え、雪=遅延・混乱という印象が根深いものになっています。

普段からよくある遅延理由も、降雪時には大幅な遅延をもたらすことがあります。
ラッシュ時間帯だと駆け込み乗車などで生じた秒単位の遅延を取り戻すのも大変で、これが雪の日となればトラブルの回数も多くなり、細かな遅延が積み重なりやすいそうです。
また、関東では「○○線直通」といった鉄道会社の相互乗り入れが増え、違う路線での遅延の影響を受けることが多くなりました。
こうなると、1つの路線で大雪が降るだけで、他の路線を遅延させたり運休や直通運転中止でダイヤ変更を余儀なくされたりすることになります。

どれも、利用者数・電車数共に多い首都圏ならではの理由なのがお分かりいただけたでしょうか?

雪で鉄道が混乱するのは、首都圏である以上仕方のない部分も結構あります。
鉄道会社の運行情報をこまめに確認し、自分自身がパニックになるのを未然に防ぐのが大切です。
もちろん、天気予報のチェックもお忘れなく。


執筆者:そふぃー