天なびコラム

第7159話

2020年06月03日

季語でなくなる?

6月に入り気象の世界でも夏になりました。西から梅雨入りの便りも届き始め、蒸し暑い日本の夏が間もなくやってきそうです。
ところで昨日、8月に行われる気象予報士試験の案内書の配布が始まったのですが、その中の注意事項に「試験当日にマスクを着用されていない方は受験できません」と記載されていました。受験票を忘れても事務局で所定の手続きを行えば受験させてくれますが、マスクなしはNGのようです。おそらく他の試験も同じような条件がつくことでしょう。
もともと「マスク」といえばインフルエンザなどの風邪予防ですることが多く、俳句の世界でも冬の季語として取り扱われています。その後は花粉症に泣かされる人が増えて春先のマスクも珍しくなくなり、そして今や「年中マスク」の様子を呈しています。「マスクといえば冬」といった共感がなくなれば冬の季語として使えなくなるかもしれません。
今年は仕方ないですが、この状況が常態化してマスクが季語から消えるようなことのないように願っています。マスクは夏には似合いませんから。

執筆者:西