天なびコラム

第7192話

2020年07月06日

予報士試験あるある

先日友人から連絡があり、今から猛勉強すれば8月の気象予報士試験の学科試験に合格できるだろうか?との相談を受けました。
大学の同じ研究室で一緒に気象学を勉強した友人ではありますが、卒業後は気象から離れており、仕事をしながらの資格勉強となると決して容易ではないはずです。
まだ受験意思を聞いてはいませんが、受けるとなれば応援したいと思っています。

私を含め過去のコラムでも何度か紹介されていますが、気象予報士試験は、マークシート方式の学科試験と筆記の実技試験に分かれています。
学科試験は予報業務に関する一般知識と専門知識の2科目あり、実技試験は実際の予報資料を使って問題を解いていく形式です。

一般知識は、気象現象を含む大気を取り巻く物理現象を理解できているかを問う問題が中心で、いかにも理系といった感じの科目です。
一方で専門知識は、予報ができるまでの仕組みや観測技術などまさに専門的な問題が多く、聞き慣れない単語も多数出てきます。
私が所属した研究室は当然のように理系の学生が集まっており、暗記要素の強い専門知識の方で苦戦する人が続出しました。
一般知識なら余裕なのかと言えばそうでもなく、実は法規(主に気象業務法)の問題が一般知識の中に入っており、私もでしたがここだけ嫌いな人が特に多かったです。
受験された方の中には、多少気持ちが分かるという方もいらっしゃるでしょうか。

実技試験と言えば、試験開始が合図されると紙を破るビリビリ音が1〜2分響き渡るのが恒例でした。
これは、配布時には天気図などの資料が問題と一緒にひとまとめにされているため、資料をミシン目に沿って切り離す音です。
限られた試験時間の中、なるべくこの切り取り作業を手早くやってやろうと当時は一心不乱になっていました…。
また、辺りを軽く見渡すと、黒の筆記具以外にも蛍光ペンや色鉛筆を持参している人が大勢います。
実技試験ではカラーペンの使用が許可されていて、色分けして図に目印をするために何色ものペンを机の上に置くのです。
他にもコンパスや定規なども試験では必要なため、多くの人の机の上が結構ごちゃつきがちでした。
何の線を何色で塗るか各自決めているのでしょうが、私は色ペン作業に手間取るのが嫌だったので常にシャーペン1本で挑んでいました(笑)

予報士試験を受けたことのある人には伝わるかもしれない、予報士試験あるあるでした。
受験経験のない方にも、何となくでも試験の雰囲気や勉強の苦悩が伝わればと思います。


執筆者:そふぃー