天なびコラム

第7265話

2020年09月17日

9月も半ば過ぎ。月初めは猛暑日も珍しくありませんでしたが、2週間余りでずいぶん過ごしやすくなりました。天気図に目を移すと前線が東西に横たわっており、週間予報をみると雨や曇りのマークが目立ちます。これも秋らしい天気といえるでしょう。
ところで「霖」の字をご存知でしょうか。これは音読では「リン」、そして訓読では「ながめ(ながあめ)」と読みます。語源は「長雨」で3日以上降り続く雨のことを指します。林は文字通り木が並んでいる状態を示しますが、それ以外に「たくさん」や「続く」の意味も持ちます。だから長く続く雨の様子を「霖」と表すわけです。
菜種梅雨のことを「春霖」、梅雨のことを「梅霖」、そして秋雨のことを「秋霖」といいますが、やはり霖の字は秋が似合います。霖が淋を思い起こさせるからかもしれません。冬や春の終わりに比べると夏の終わりを淋しく感じますので。みなさんはいかがでしょうか。

執筆者:西