天なびコラム

第7266話

2020年09月18日

ラニーニャ現象発生で今年の冬は寒くなる?

先日気象庁から気になる発表がありました。「ラニーニャ現象が発生したとみられる」という発表です。

ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海水温が平年よりも低くなる現象です。

太平洋赤道域では常に東風の貿易風が吹いていますが、ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなります。そのため、強い東風によって、西部に表層の温かい海水が引き寄せられ、東部では深層から冷たい海水が湧き上がり、平常時より海水温が低くなるのです。これとは逆に、東風の貿易風が平年より弱くなり、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海水温が平年より高くなるのがエルニーニョ現象です。

エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、世界中で異常な天候の要因となると考えられており、ラニーニャ現象の場合、日本付近では、夏は暑く、冬は寒くなる傾向があります。

すごく特別な現象というわけではなく、数年おきにエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生していて、前回ラニーニャ現象が発生したのは2017年-2018年の冬です。この年は、冬型の気圧配置になることが多く、北陸など日本海側で大雪になりました。

災害級の大雪になると困りますが、昨年の冬は記録的な暖冬で、豪雪地帯である東北や北陸の山地でも雪が降らず、スキー場が倒産したというニュースもありました。

今年の冬は、コロナ禍もあり先が見通せませんが、スキー場など冬のレジャー産業にとって、天気が味方する冬になるといいなと思います。


執筆者:ドローン