天なびコラム

第7392話

2021年01月22日

光害

先日、帰宅途中に夜空を見た時であった。これまで見ていた夜空と何かが異なっていた。しばらくしてから、周りの街灯が蛍光灯からLEDへ取り替えられていることに気が付いた。以前までの蛍光灯に比べて明るく、そして眩しかった。これによって、街灯の光が目に届き、前まで見えていた星の輝きが見えなくなっていた。

省エネのため、全国各地で、蛍光灯や水銀灯の電球がLEDへと付け替えられている。その一方で、真っ暗な場所を探すのは難しくなっている。人が住んでいない山奥であっても、自動販売機が設置されていることが多い。夜間は自動販売機の電気が煌々と点いている。夜間の光は、星を見えにくくするだけではなく、動植物の生態系への影響があるという研究結果も存在する。

国立天文台の街灯は人感センサー式になっているらしい。少しでも人工の光を抑えようとする取り組みである。全国でセンサーライト型の街灯が普及すれば、今よりも美しい夜空が手に入るのだなと思うのであった。




執筆者:阿波狸