天なびコラム

第7580話

2021年07月29日

雷様どころではない

梅雨末期の頃、各所で急な雨と共に雷が各所で頻繁に観測されました。
梅雨明け以降は少し落ち着いたようにも見えますが、今の時期は急な雷雨の可能性がまだ高く、引き続きの注意が必要です。

「雷が鳴ったらへそを隠せ」「雷様にへそを取られる」と、子供の頃によく言われた方は多いのではないでしょうか。
こう言われるようになったのには諸説あり、雷を避けてかがむ姿勢がへそを隠す様子に似ているから、雷の時にへそを出すとお腹を冷やして体調を崩すからという2つの説が特に有力とされています。
前者は雷から身を守る為に姿勢を低くすることを促し、後者は一見関係なさそうにも見えますが、雷が鳴る前後に急な気温低下があるのはよくあることです。
迷信とは言え、防災的には非常に理にかなっています。

雷様に取られることはなくても、へそ自体は日頃からぞんざいに扱っていいものではありません。
「へそをいじるとお腹が痛くなる」と言われることがありますが、こちらは迷信どころかほぼ事実です。
へそのすぐ裏には腹膜があり、腹膜にはいくつもの神経が通っているので、過度に刺激すると本当に腹痛が生じる危険があります。
また、へその中で細菌感染を起こすと、化膿して更なる傷みを伴います。
痛みや化膿が悪化すると、他の臓器へ被害が及ぶこともあり得ます。
こうなると、最早雷様にへそを取られるよりも過酷です。

雷様より過酷なんて大袈裟なと思われるかもしれませんが、私自身過去にへその治療を経験しており、相当な激痛を伴いました。
悪化すると雷様にへそを取られるどころの話ではなくなります。
へそを守る行為は、雷に限らず身近な健康にもある意味で繋がっているのです。


執筆者:そふぃー