天なびコラム

第7621話

2021年09月08日

指乗りオニヤンマ

私の実家は「〇〇(地名)の秘境」という看板が立っていた地区で、虫出没は日常茶飯事です。
そんなわけで、学校帰りにはいろんな生き物に出会います。先日コラムでお話ししたヘビもそうですし、ザリガニ、野うさぎ、昆虫も・・・。もう秋ですから、トンボも農道を飛び回っている頃でしょう。
トンボで思い出深いのは、オニヤンマです。大人になってから知ったのですが、スズメバチをも捕食する、昆虫界では最強の存在のようです。そんなオニヤンマを見つけては、走り回って我先にと捕まえようとする子供たち。私もその中の1人でしたが、オニヤンマは農道を走る軽トラックより圧倒的に速い(時速70km程度とも)ため、私は頭脳戦に出ました。
それは、、、だれしも聞いたことがある、柵などに停まっているオニヤンマの目の前で「指を回してトンボの目を回す」作戦です。うまくいかないと言われる中で、なぜか私は成功し、動揺したオニヤンマが静止した指先に乗ってくるまでになりました。指乗りオニヤンマです(勝手に命名)。同様にモンシロチョウやアゲハチョウでも成功しました。「コツは?」と聞かれますが、私も回っている指先を見て目を回すようにしています。自分が目を回すほどの角速度(約5rad/s、1秒に1回転より遅い)がポイントかもしれません。
最近では、「オニヤンマ君」というオニヤンマの模型が売られていて、それを身に付けるとオニヤンマを恐れる虫(ハチ、カメムシ、蚊に至るまで!)が近寄らないとか。オニヤンマを見かけない方は、是非買ってみて、その最強ぶりを肌で感じてみてはいかがでしょうか。


執筆者:けもの道担当