天なびコラム

第7866話

2022年05月11日

自然の音浴

5月も中旬に入りました。暦の上では夏となり、沖縄では梅雨入りが発表されました。北日本から西日本にかけても曇りや雨の日が続きそうです。実際の季節も春から夏に移り変わろうとしていることがわかります。
ところで先日、奈良県の春日山原始林を歩いてきました。春日大社の「神山」であったことから1000年以上も樹木伐採が禁止されているところです(今でも遊歩道以外は立ち入り禁止です)。この日は快晴で、隣の若草山では日差しがきつかったのですが、原始林の中に入ってしまうと新緑が良い具合に太陽を遮ってくれたのでとても快適でした。
森の香りを浴びて歩く「森林浴」を満喫できたのですが、もうひとつ癒しを与えてくれたのが「音」です。葉の擦れ合う音、沢のせせらぎ、鳥のさえずり、カエルの声にセミの声。それぞれ趣があり穏やかな気持ちになりました。中でも晩春から初夏の季語にもなっているハルゼミの声に出会えたのは良かったです。普段の生活圏では出会えない季節の音を聞くことができたのは貴重な経験になりました。
必ずしもすべての自然の音が心を癒してくれるわけではありませんが、野山に行ったときは森林浴だけでなく「音浴」も楽しみたいですね。みなさんはいかがですか。

執筆者:西