天なびコラム

第7869話

2022年05月14日

日本一遅咲きの桜

5月8日に北海道の釧路で桜の開花が発表されました。
これをもって、気象庁のすべての標本木で開花が発表されたことになります。
その翌日の5月9日、北海道の根室で「開花発表」がされました。

この根室での開花発表は2010年までは気象庁の公式発表に含まれていました。
しかし、2010年10月に根室にある測候所が無人化したことに伴い、気象庁の観測が行われなくなりました。
2011年以降はもともと標本木だった木の観測を根室市が引き継いでいます。

気象庁のさくらの標本木で開花の平年日が最も遅いのは釧路ですが、根室の「開花発表」は釧路での開花よりも遅いことが多く、「日本一遅咲きの桜」と呼ばれています。
根室でかつて標本木だった木はチシマザクラという種類の桜で、他の地域で標本木となっているソメイヨシノやヒカンザクラ、エゾヤマザクラと比較して樹高が低いという特徴があります。

1月に沖縄を出発した桜の開花前線は今年も4か月近くかけてゴールしました。
日本の気候の幅広さを改めて感じます。


執筆者:ぴーる