天なびコラム
第3900話
2011年07月02日
半夏生
今日は雑節のひとつ、「半夏生(はんげしょう)」です。
ハンゲショウ(半化粧)という植物が花を咲かせる時期に由来すると言われていて、この頃に降る雨を「半夏雨」と言うこともあります。
半夏生には、各地で食べ物に関する風習が伝わっています。
例えば、香川県ではうどんを、福井県の大野では焼き鯖を食べるそうです。
昔は、この時期が田植えに最も適しており、半夏生までに作業を終えるのが良いとされていたそうです。
その田植えの労をねぎらい、また田の神に豊作を祈るために、これらの食物を供えたり食べたりしたのです。
ところで、今日は「タコの日」でもあります。
関西の一部では半夏生にタコを食べる風習があるそうで、これに注目して「タコの日」と制定したそうです。
これも同じく田植えに関連した風習で、タコが八方に足を広げ吸い付く様子と、稲がしっかり根付く様子を引っ掛けているのだとか。
タコには、疲労回復や夏バテに効果がある亜鉛やタウリンが豊富に含まれています。
願掛けだけでなく、本格的な夏の暑さに備えるためにも、この時期にタコを食べるのは理にかなっているのです。
半夏生には、豊作と夏の健康への祈りが込められているのですね。
執筆者:よっしー