天なびコラム

第3902話

2011年07月04日

水と光の性質

蒸し暑いですね。そんなことは言うまでもなく、という感じですが、関東から西では連日30℃以上の暑さで、まるで7月下旬の梅雨末期のような気圧配置になっています。今年は夏が早くやってきているのでしょうか。

暑さが厳しくなってくると、プールや海で泳ぎたくなってきます。積乱雲の浮かんだ空と水が目に浮かんできますね。

さてさて、ここで今日は水の色のお話。

水の色って何色でしょう?さっき目に浮かべたプールや海の水の色は、水色や青色またはエメラルドグリーンなどでしょうか。では、コップなどの容器ですくって見た水は何色でしょう?よっぽど汚れていたりしなければ、それは無色透明ですね。これは水と光の性質でそのように"見えます"。

太陽の光(可視光)は、虹で見られるように、青色から赤色の光の波長があります。水は、波長の長い赤色の光をよく吸収するので、水の厚さが厚くなると、赤色の光が失われて、残った青色の光で水が青っぽく見えるようになります。これは空が青いのと同じ原理です。また、遠くの海を見たときは、反射によって海面に写った青い空を見ている場合もあります。これも光の性質ですね。それから、水中のプランクトンや微粒子で散乱したり、海底で反射した光によって青く見えることもあります。

水と光の性質が複雑である分、様々な水の色を見ることができ、美しい物理現象だと思います。夏の強い日差しは、暑さや紫外線で嫌われるばかりではないですね。


執筆者:さくら