天なびコラム
第4988話
2014年06月24日
五月の蝿と蚊の雷
もうすぐ7月。ずいぶん蒸し暑くなり、夏らしさが増してきました。
さて、蒸し暑くなるにつれて窓を開ける機会が多くなります。そうすると、ちょっとした隙に虫が入ってきます。その中でも、うっとうしく感じる代表格が蝿と蚊になるでしょうか。衛生的なことで御免被りたいこともあるのですが、耳障りな羽音がイライラを募らせます。「うるさーい」と思わず声が出てしまうことも。
ところで、「うるさい」を漢字で表すと「煩い」。ただ、うるさいを「五月蝿い」と書くこともあります。なるほど、今の時季(陰暦の五月)にブンブン飛び回る蝿は確かに「うるさい」です。この当て字は夏目漱石が使い始めて広まったそうですが、よほど悩まされたのでしょうか。
一方で蚊の羽音は「蚊雷」といいます。雷と表現するほどですから、蚊柱が立つほどの集団の羽音を意味しますが、たった一匹の雷でも安眠を妨げることがよくあります。
蝿と蚊の音に悩まされる季節ですが、「もし音がなかったら・・・」と想像すると、それはそれで困ります。気配なくご飯に飛びついていたり、血を吸われることになりますから。
蝿や蚊も夏の風物詩と考える余裕があれば良いですが、元々うるさいは「心が閉鎖的になる」ことを意味する言葉。そう感じた時点で気持ちにゆとりは持てません。だから、「五月蝿い」環境にならないよう、予防することがイチバンの対処法になるでしょう。みなさんは何か対策をされていますか。
執筆者:西