天なびコラム

第5541話

2015年12月29日

季節外れのタンポポ

高松地方気象台で12月17日にタンポポの開花が観測されました。
これは平年より60日も早く、この季節外れの開花を不思議に思い少し調べてみました。
まず、我々がよく目にするタンポポですが、昔から日本にある在来種と近世に日本に入ってきた外来種が混在しています。
在来種が春に咲くのに対し、外来種は一年中咲くという特徴を持っています。
なるほど!今回の件は年中咲く外来種の開花だ、と解決かと思ったのですが、もう少し調べたところ、気象庁のタンポポの観測では在来種が観測対象となっているようです。
在来種と外来種の区別は、花の総苞(花の根元のがく)がぺりっと外側にめくれているかどうかでわかるため(めくれていたら外来種)、見間違えは無いはずです。
また振り出しに戻りました…。
では、気候的にどうかというと、全国的に秋口から現在まで平年より気温が高い状態が続いており、高松も例外ではありません。
その影響から開花が早まった可能性もありますが、2ヶ月も早まるのは少し考えにくく、さらに調べてみると、在来種と外来種の間で雑種化が進んでいる、という情報を掴みました。
ということで諸々悩んだ結果、見た目には在来種の特徴を有しつつも、年中咲くという外来種の性質も併せ持つ雑種の開花が観測されたのでは?というのが私の最終的な仮説です。

皆さんも道端でタンポポの花を見かけたら、在来種と外来種どちらの形態的特徴を持っているか、またいつ咲いているのかを併せて観察してみると面白いかもしれません。



執筆者:エトオ