天なびコラム

第5574話

2016年01月31日

寒気と筋状の雲

冬場、日本付近に寒気が流れ込むと、日本海には筋状の雲が広がります。
テレビの天気予報などで、しばしば気象衛星の画像を用いて解説されていますので、皆さんもご存知だと思います。

日本海に広がった筋状の雲と寒気の強さには関連性があり、寒気が強いほど日本海に広がる雲の面積が大きくなります。

ところが、先日のように強い寒気が大陸から吹き出した場合は、日本海だけでなく朝鮮半島の西側にあるボッ海や黄海、東シナ海にもビッシリと筋状の雲が広がります。

強い寒気が日本付近に流れ込む時は、寒気の先端部分がボッ海や黄海などで筋状の雲を作り始め、おおよそ半日から一日後に日本付近に到達します。気象衛星の雲画像を動画にして見ると寒気が日本へ迫ってくる様子がよくわかります。

逆に寒気の吹き出しがピークを過ぎて弱まり始めると、大陸の海岸線から雲が離れていきます。日本付近にはまだまだ寒気が居座っている状態ですが、上流では寒気の吹き出しが弱まりつつあるという証です。

冬場の寒気は直接見ることはできませんが、筋状の雲を介して表現されるので、寒波が気になるという方は参考にしてください。


執筆者:Shin