天なびコラム
第5605話
2016年03月02日
客観的結果の主観的判断
現在の天気予報は数値予報と呼ばれ、大部分は気象庁のスーパーコンピュータによる計算結果を基に作られています。
物理学の方程式を用いて、将来の状態を計算で求めますので、風や気温などの結果は全て数値として出力されます。
さて、数値予報で予測される項目の一つに、雲量というものがあります。
雲量とは、空に占める雲の面積の割合のことで、雲一つない状態を0、全て雲に覆われた状態を10とする11段階で表され、雲量5は空の半分の面積に雲がある状態です。
この雲量を用いれば、雲の広がる面積を割合として示すことができますので、客観的にイメージすることができます。
ところで、皆さんは空にどれくらい雲が広がれば、晴れから曇りに感じられるでしょうか?この晴れと曇りの境目となる基準には個人差があり、言ってみれば主観的なものだと思います。
天なびのほか、私たちは法人のお客様とも契約を結び、局地の天気予報の提供をさせて頂いています。ご利用のお客様の目的も様々で、青空のもとで撮影をしたいというお客様や、週末の屋外イベントの開催に合わせて発注されるお客様もおられます。
例えば数値予報で予測された雲量5の状態を、いかにお伝えするか。
撮影会社様には「晴れるがやや雲が多い」、イベント運営会社様には「多少雲が広がるがおおむね晴れる」などとお伝えすることで、情報価値が高まるなら、お客様の利用の目的をさらに意識する必要があると感じる次第です。
執筆者:Shin