天なびコラム

第5611話

2016年03月08日

二十四番花信風

3月に入ってから、めっきり春らしくなりました。まだ寒の戻りはありそうですが、枯木立の野山にも草花が目につくようになってきました。
ところでみなさんは、「二十四番花信風(にじゅうしばん かしんふう)」をご存知ですか。「花信」とは花が咲いたことを知らせる便りのこと。これに「風」がつくと、「花が咲いたことを知らせる風」の意味になります。風が花の香りを運んでくることにちなむものです。
それでは「二十四番」とは何か。これは小寒から穀雨までの八つ節気の間をさらに三等分して、二十四区分にしたものを指します。この二十四区分ごとに咲く花が決められています。
つまり二十四番花信風は、「晩冬から晩春にかけて咲く花を知らせる風」になります。今月5日が啓蟄、20日が春分ですから、これを三等分すると5日〜9日、10日〜14日、15日〜19日。これらの区分に配されている花は桃(十三番目)、やまぶき(十四番目)、バラ(十五番目)です。
今日は8日なので桃の花信があることになります。でも現実には「スギの花便り」が届くところの方が多い模様。春風が運ぶ花の香りを楽しみたいですが、残念ながらマスク姿で「受け取り拒否」の一日になりそうです。

執筆者:西