天なびコラム

第6160話

2017年09月08日

お化け屋敷

今年の夏お化け屋敷に行ってきました。
もう最後に入った記憶が無い程久しぶりでした。
ただお化け屋敷の方も久しぶりの客だったようで、そもそもお化け屋敷の受付に人が居ませんでした。
近くのゲームセンターのスタッフに声を掛けると、電源を入れて確認するので少し待つようにとのこと。
暫くすると、バチン!と大きな音がして、一斉に機械音や高笑い、うめき声が。
お化けが起きる音を初めて聞きました。
いざ入ると、お化けの皆さんもかなりの年季。
元々古い感じだったと思うのですが、そこに長年のホコリやクモの巣等が積み重なり、一層お化けらしさが増していました。
ただ少々年季が入り過ぎているようで、ある者は出てくるタイミングを間違え、ある者は出て来さえしない始末。
壊れた半開きの扉の奥で待機したままのお化けを見ると、少し切なさを感じました。
想いの外怖かったのは、タイミングを間違えたお化けが連続すると、見えない客がいるように感じることでした。
その日は雨で遊園地に人は殆ど居ませんでした。
お化け屋敷に時折訪れる静寂の中、微かに聞こえる外の雨音とジメッとした空気が何とも言えない感じでした。
お化けと気象の関係は定かではありませんが、その日の雨、湿度、気温はお化け屋敷日和ではないかと感じました。
そんなお化け屋敷ですが、一緒に入った息子は十分楽しめたようでした。
年季の入ったお化けに怯えならがら必死で出口を抜けた彼、目に薄っすら涙を浮かべ「二度と入らない!!」と宣言していました。


執筆者:シゲル