天なびコラム

第6632話

2018年12月24日

クリスマスムードのUSJに行って

クリスマスイブの今日、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今年のクリスマスイブは、振替休日となっているため飲食店やレジャー施設ではより多くの人出が予想されます。

私は一足先に先週の土曜日、クリスマスムードのUSJを友人たちと楽しんできました。フレンドリーなキャストに迎えられ園内を真っ直ぐ歩いていくと正面に現れるのが、高さ約30mの巨大なクリスマスツリーです。夜になると約55万個の電飾数を誇るイルミネーションに彩られ、その電飾数はギネス記録を獲得しています。

2014年にオープンし、私にとって初めてとなるハリーポッターエリアに踏み入れると、細部まで忠実に再現されたイギリスの古い町並みが続き、その奥には湖畔にそびえ立つホグワーツ城がライトアップされ、幻想的に浮かび上がっていました。トイレまでもハリポタ仕様で統一され、その世界観にどっぷり浸れます。

それにしても12月の週末となれば、パーク内は凄い混雑です。覚悟はしていましたが、人気のアトラクションはどれも長蛇の列で、「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」の待ち時間は2時間超えでした。ホグワーツ城では冬季限定のプロジェクションマッピングによるショーを開催していて、その時間になるとエリア全体が物凄い人で埋め尽くされていました。

ハリポタエリアの開業により、近年さらに人気が上昇し続けているUSJ。なぜUSJがここまで多くの人を惹きつけるのだろうか?何気なしにUSJの歴史を調べてみると、実は2004年に破綻寸前の状態に追い込まれていたことを知りました。

転機となったのが、2011年にマーケティング担当に就任した森岡毅氏による改革です。
彼は、アメリカの「ユニバーサル・オーランド・リゾート」を見学した際に「ハリーポッターエリア」を訪れ、日本にもこれを導入したいと考えます。

そのために、当時不振だったUSJの集客力の強化を目的として、それまで「映画専門のテーマパーク」だったUSJに、「進撃の巨人」や「モンスターハンター」など人気のあるアニメやゲームをのコラボを積極的に行って、「総合エンターテイメントのテーマパーク」へと進化させることにより、客層を広げる戦略を実行します。

さらに、パーク内でゾンビを徘徊させる「ハロウィン・ホラー・ナイト」や、既存のコースターを後ろ向きに改造した「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド〜バックドロップ〜」など、お金を使わずに話題性と発想力によって集客することに成功しました。

こうした地道な施策の成功により資金を蓄えることができたことで、ついに、450億という巨額投資を実施して「ハリーポッターエリア」の開業を実現できたのです。ハリポタ開業後は、アジアなど近隣諸国からの集客も増え、USJの人気を牽引しています。

ハリポタ人気ばかりに目が行きますが、裏ではこんなにも戦略的なマーケティングが展開されていたとは。。。

クリスマスには各地で様々なイベントが開催され多くの人が集まりますが、多くの人を惹きつけるには必ず理由が存在します。その理由を探ってみるのも面白いかもしれません。


執筆者:ドローン