天なびコラム

第6633話

2018年12月25日

歌と演劇のクリスマス

クリスマスがイエス・キリストの誕生を祝う日であることは、ご存知の方も多いでしょうか。
過去にも色々な執筆者が、この天なびコラムでクリスマスの意味や慣習などを紹介しておりますので、是非コラムのバックナンバーもご覧下さい。
私が今回お伝えするのは、過去の天なびコラムでは語っている人がいなかった、聖誕祭の実体験のお話です。

キリスト教系の中学・高校に通っていた6年間、毎年12月の最終登校日に行う礼拝は特別なものでした。
弦楽器を生演奏し、聖歌隊が讃美歌を歌い、最後は6学年分の全校生徒で合唱し、礼拝終了後もクリスマス・キャロルとしてキャンドルを手に誕生を祝う歌を歌いました。
その光景は今でも脳裏に焼き付いており、当時歌った讃美歌もこの特別な礼拝の時にしか歌わないものもある中、歌詞までかなり覚えています。
あの荘厳な空気は、クリスマスにしか味わえません。

このように書くとちょっとイイ雰囲気でひたすら歌うだけのようですが、礼拝のプログラムには「クリスマス・ページェント」と呼ばれる項目もあります。
イルミネーション満載のイベントを光のページェントと呼ぶことがありますが、本来クリスマス・ページェントというとイエス・キリストの生誕を描いた劇のことを指します。
母校でも、演劇部が伝統の衣装と小道具を用いて降誕劇を披露します。
そして私は演劇部に在籍していた身でしたので、1ヶ月以上前から練習する様子を毎年目の当たりにしていました。
自分が役に就くことはなかったのですがね…。

ページェントを実施する学校は日本でも案外多く、中には幼稚園でも実施されることがあるそうです。
役柄はサンタやトナカイではなく、マリアとヨセフ、生誕を告げる天使、祝福にやって来る羊飼い、貢物を捧げる3人の博士など。
母校のページェントの場合はセリフが一切なく、動きもゆったりしており、ただ歩くだけでもバックに流れる讃美歌に合わせて歩くスピードを調節する必要もあります。
毎年やっているとはいえ決して簡単な寸劇ではないので、1ヶ月以上も前から配役を決め、練習に取り掛かるのです。
ページェントは礼拝のメインイベントであり、配役のなかった自分でもページェントが終わると安心感と満足感がありました。

この礼拝を求めて来校する卒業生も多いのですが、今は大阪暮らしですし、大学の時も授業と被ることが大半。
結局、高校3年生の時が私にとって最後のクリスマス礼拝でした。
今年は当時の神聖な雰囲気に思いを馳せて、自宅でしっとりと過ごすことになりそうです。
皆様も素敵なクリスマスをお過ごし下さい。


執筆者:そふぃー