天なびコラム

第6685話

2019年02月15日

風花目撃情報

春のような暖かさになったり、急に真冬に戻ったりと、2月に入ってから気温の安定しない日が続いています。
1月末に(この時点での)今季最強と言われた寒波がやって来たのが、ここ最近の気温の乱高下のはじまりだったような気さえします。

その寒波が過ぎた直後の日の朝、外に出ると小さな無数の粒子のようなものが空中をふわふわと漂っている様子が見られました。
白くて軽そうで、見渡すと無数の粒子がまるで紙吹雪のように舞っていました。
紛れもなく雪なのですが、上空は青空が出ていて日も射している。
その正体は「風花」です。

風花は、晴天の中で花びらのように舞う雪のことです。
一般には、山岳地帯の雪雲から降ってきた雪が、風に流されて風下側で落下することで起こります。
晴れているけど雨が降る「お天気雨」や「狐の嫁入り」の雪版とも言えるでしょうか。
静岡など、山を越えてくる風が吹きやすい所で多く見られるそうで、東京のような周囲に山が少ない所ではなかなか珍しい現象のようです。
その為か、関東住まいの長かった私にとっては初めて見た光景でした。
それにしても、大阪の住宅密集地で見られるとは。

関東の雪は水分が多いお陰で、粒が大きく降っている様子もボタボタと重い印象です。
一方で風花は、舞うように降るだけあって雪質も粉雪に近いものでした。
積もるほどの量はなく、電車で移動している間にすっかり止んでしまいましたが、最寄り駅までの10分程度をスノードームの中にいるかのような世界に入り浸りました。
周囲を歩いていた通学中の小学生は見向きもしていませんでしたが…。

風花は冬型の気圧配置が強い証でもあります。
もう1度都会の中の粉雪を見てみたいものですが、底冷えするような寒さまで連れてくるのは勘弁して欲しいとも思うのです…。


執筆者:そふぃー