天なびコラム

第7133話

2020年05月08日

水田

5月も2週目を迎える今日この頃。水が張られた田んぼを、心地よい風が通り抜けて、水田独特の香りが届く。

田植え直後の水田は、水面が鏡のように反射しているため、水田一面に青い空とぽつぽつある積雲が映る。広大な水田地帯が見られる場所では、天空の鏡とも呼ばれるウユニ塩湖を連想させる。この風景は日本独特の景色で、限られた期間でしか見ることができない貴重なものであろう。さらに、広大な水田地帯で無ければ見られない。それなのに近年は、太陽光発電設備の開発のため、農地転用され水田の面積も減少しているようだ。小さい頃に駆けていた水田も、いつの間にか無機質なソーラーパネルに変わり、自然豊かな風景は人工物豊富な風景に変遷しつつあるように感ぜられる。このような光景を見るたびに豊かな暮らしとはと、疑問に思うのであった。




執筆者:阿波狸