天なびコラム

第7171話

2020年06月15日

気象観測の歴史

初めてコラムを担当します、くじらのおです。よろしくお願いします。

現代の社会生活には欠かせない天気予報ですが、これは気象庁のAMeDASをはじめとした気象観測で得たデータをもとに作られています。
では日本では気象観測はいつから行われているのでしょうか?
気象庁によると1875年に気象業務を開始したとされているため、多くの方が明治時代とお答えになると思います。
確かに気象要素を数値として客観的に集積し始めたのはこの時期とされています。
しかしより広く「天気・天候を記録する」という行為を気象観測ととらえると、これよりも以前から気象観測は行われています。
明治時代以前の古文書に気象観測に関する記述がみられることが、近年の研究から明らかになっています。
それらの古文書の多くが農業関係の日記であり、それぞれ内容に差異はありますが、大まかに日々の天気、降水、日照について記載されていたそうです。
天気予報がない時代において、特に農業を営むには日々の気象データを何年も集積し、暦と照合することによって季節ごとに天気の傾向をある程度把握し、未来の天候を予測していたと考えられています。
このように近代以前においても現代と同じように気象と生活が密接にかかわっていたことがわかります。またそのために気象観測が重要視されてきたことは今も昔も変わらないのではないのでしょうか。

本題に戻りますが気象観測はいつから行われてきたのか、先述した古文書の多くは江戸時代前後のものだそうですが、中にはそれ以前のものもあるそうです。
ここからは私の想像ですが、農耕が始まった頃から気象観測は行われているのではないのでしょうか。ここまで遡ると確認のしようがないですが...
そんなことを考えると日々憂鬱になりがちな梅雨どきの天気予報も少しは楽しく感じられるのではないでしょうか。


執筆者:くじらのお