天なびコラム

第7174話

2020年06月18日

コロナ禍の豪雨災害

6月6日の話ですが、埼玉県熊谷市で10分間に50mmという凄まじい雨を観測しました。ニュース等でよく聞く降水量は1時間降水量で、1時間に50mmの雨でも、滝のような雨と表現されますが、これが10分間で降ったとなると、想像するだけでも恐怖を感じます。10分間雨量としては、2011年に新潟県室谷で観測した記録に並ぶ、日本歴代1位の雨となりました。

大雨と聞くと心配なのが豪雨災害です。避難所では、どうしても狭い空間の中で多くの人が密集して生活することを余儀なくされるため、コロナ感染のリスク上昇は避けられないでしょう。

災害時に避難所となる施設では、感染対策として消毒液や体温計を配備し、避難者同士の密着を防ぐためのパーティションの準備も進められていますが数には限界があります。また、パーティションを設置した場合は、これまで以上に広さが必要になることから受け入れ可能人数の見直しが求められます。

一方で、昨年から運用が始まった、警戒レベルについて細かな変更があり、「レベル4」についてこれまでは「全員避難」としてきましたが、安全な場所にいる人まで、その場所から立ち退き避難する必要はないことから「危険な場所から全員避難」と表記が改められました。

避難するのが安全か、自宅にとどまるのが安全かという判断を迫られる場面はこれまでもありましたが、コロナ感染リスクという要素が加わり、その判断の複雑さが増してしまいました。

どれだけ冷静に複合的な要因を考慮して、最も安全と思われる行動を取ることができるか。私たち一人ひとりが試されていると思います。


執筆者:ドローン