天なびコラム

第7248話

2020年08月31日

雷踊り

8月も末。気象の世界でも明日から秋になりますが、まだまだ厳しい残暑が続くところが多そうです。
ところで先日、滋賀と岐阜の県境にある伊吹山に登ると山頂に「弥勒堂」と書かれた小さな祠がありました。紹介文を読むとこのお堂の前で柴を焚き、「雷踊り」を踊って雨乞いをしたとのこと。雨乞いの儀式は各地で聞かれますが「雷踊り」とはどんなものか気になり調べてみると、太鼓や鉦を打ち鳴らして練り歩くお祭りでした。「ドンドン」「キンキン」の音色を雷鳴と勘違いした雨の神が雨を降らせてくれるそうです。なるほど、だから雷踊りのわけなのですね。
秋には豊作の返礼として伊吹山麓で太鼓を鳴らすお祭りが今でも続いています。中でも5年に1度しか行われない「伊吹山奉納太鼓踊り」は今年が開催年だったので足を運びたかったのですが残念ながら中止になったとのこと。社会情勢が落ち着き、祭りが再開されたら雨の神さまも錯覚した雷太鼓を聞きに行こうと思います。

執筆者:西