天なびコラム
第7379話
2021年01月09日
冷たい高気圧
寒い日が続きますが、昨年末、その寒さに関係したニュースがありました。
そのニュースとは、モンゴル西部のTsetsen Uulという場所で1093.5hPaという高い気圧が観測されたというものです。
これほど高い気圧はこれまで観測されたことがなく、正式に認められれば、世界記録となるそうです。
ちなみに、現時点での最高記録は、同じくモンゴルのTosontengelという場所で2004年12月に観測された1089.4hPaになります。
このような高気圧は、この地域の強烈な寒さの証明です。
モンゴル周辺は海から遠く離れた内陸にあります。
陸は海よりも冷えやすいので冬はどんどん気温が下がっていきます。
また南西にはヒマラヤ山脈があり冷たい空気を閉じ込めます。
そして冷たい空気は重いため、気圧が高くなるというわけです。
実際、Tsetsen Uulで最高気圧が観測された際の気温は、-45.5℃という日本では観測されたことのない寒さでした。
こうして生まれた高気圧はシベリア高気圧と呼ばれ、日本に寒波をもたらすことで有名です。
このシベリア高気圧は天気図の左上に現れます。
冬の間、皆さんもその気圧をチェックしてみてはいかがでしょうか。
執筆者:クリプトメリア