天なびコラム

第8384話

2023年10月11日

月の色

少し前にはなりますが、8月末に今年1番大きく見える満月「スーパームーン」が話題になりました。
皆様のお住まいでは見ることができましたでしょうか?
私も仕事の帰り道に、いつも以上に存在感を漂わせて輝く黄色い満月を見ることができました。

夜中に見る月は、だいたい薄黄色に見えることが多いです。
また、日中に見る月は全く異なり、今度は青白っぽい色をしています。
星の場合は、星の表面温度によって色が変わり、赤系の色ほど温度が低く高温になると青白い色に見えると理科の授業で習った記憶がありますが、月の色はここまで詳しく取り上げられたでしょうか。
皆様は上手く説明できますか?

星が自ら光を放つ恒星であるのに対し、月は太陽に照らされて光って見える惑星です。
太陽光には無数の色の光が含まれていますが、光が大気中を進む間に一部の光が散乱され、波長の短い青い光ほど地上には届きにくくなっています。
夜中の月の場合、青や緑の光が多く散乱され、地上まで届くのは赤や黄色の光が中心の為、結果的に黄色っぽく見えるという仕組みです。
これが東から昇ったばかりの低い位置の月(主に満月の日の夕方)になると、光が大気中を進む距離が長くなり、黄色の光も地上へ届く量が減るので、赤っぽく見えることもあります。

となると日中の月も同じ原理で黄色に見えても良さそうですが、日中の場合は太陽から地球へ直接降り注ぐ光もあります。
日中の太陽光も青い光は散乱され、これが空の青色に繋がる訳ですが、日中の太陽光と月から反射された太陽光では、光の強さに桁違いの差があります。
遥かに強い日中の太陽光から散乱された青い光が補われることで、日中の月は黄色ではなく青白い色に見えるのです。

理論が分かると、見方も変わってくるのではないでしょうか。
次に月が見えた時は、その色も味わいつつ是非じっくりとお月見をお楽しみ下さい。


執筆者:そふぃー