天なびコラム

第8434話

2023年11月30日

冬はいつから?

今日で11月も最終日、ついこの前まで猛暑の話をしていたような気がしますが、明日12月1日からはとうとう冬が始まります。

ここで上記の文章がおかしいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
「12月1日から冬」という表現は100%正しいとはいえないのです。

なぜかというと、いつからいつまでが冬なのかについて、絶対的な定義が存在しないからです。
季節の区切り方には複数の考え方があり、気象学的季節、伝統的季節、天文学的季節などがあります。
このうち12月1日を冬の初めとするのは気象学的季節のみなので、上記の文章は気象学的季節に限定すれば正しいといえますが、それ以外の区切り方であれば間違いとなります。

では、伝統的季節や天文学的季節ではどのように春夏秋冬を区切っているのでしょうか。
まず、伝統的季節には節月区切りと暦月区切りがあり、このうち節月区切りでは立春を春、立夏を夏、立秋を秋、立冬を冬の初めとしています。
この区切り方はほとんどの方がご存じなのではないでしょうか。
一方、暦月区切りでは正月から3月を春、4月から6月を夏、7月から9月を秋、10月から12月を冬としています。
また、天文学的季節では春分から夏至を春、夏至から秋分を夏、秋分から冬至を秋、冬至から春分までを冬としています。

こうして比較してみると、やはり気象学的季節が実際の季節感覚に一番近く、それ以外は少し季節がずれているように感じます。
しかし、近年は気候変動の影響もあり気象学的季節ですらしっくりこない状態となりつつあります。
100年後には新しい区切り方が生まれるかもしれません。

もし皆様が春夏秋冬を区切るとしたら、どのように区切りますか?


執筆者:クリプトメリア