毎日のワンちゃんとの暮らしで欠かせない習慣が“お散歩”。しかし実は、日差しが強まる春以降のお散歩にはワンちゃんの健康を脅かす危険が潜んでいます。
愛犬との楽しみのひとつであり信頼関係を深めるはずのお散歩が、一歩間違えれば健康を害してしまう可能性も。
愛犬家なら知っておきたい夏場のお散歩リスクと、大切なワンちゃんを守る方法をご紹介します。
リスクその① 肉球火傷
ぷにぷにと柔らかく犬の可愛さの象徴でもある肉球。地面から受ける衝撃を吸収し、関節や骨をサポートする大切な役割を担っています。また、肉球にはたくさんの神経や血管が通っており、温度や痛覚などの情報を敏感に感じ取ることができます。 そのため、太陽が照り付ける夏季のアスファルトの上では肉球を火傷してしまうおそれがあるのです。
一般的に、路面の温度が43℃程度になると肉球火傷を引き起こすと言われていますが、なんと夏の暑い日には、路面が60℃以上の高温になることがあります。 つまり、熱したフライパンの上を裸足で歩いているような状態と同じなのです。
肉球火傷ってどんな症状？
次のような症状がみられる場合、肉球を火傷している可能性があります。
- ・足を引きずって歩く
- ・歩くのを嫌がる
- ・肉球が普段と違う色になったり、黒ずんだり真っ赤になっている
- ・肉球が腫れあがっている
- ・水ぶくれができている
- ・異常に足先を気にした素振りを見せる など
肉球を火傷するとどうなるの？
肉球は全体重のかかる足先を保護する役割がある、犬にとって欠かせない大切な部位です。そんな肉球を火傷してしまうと大きな痛みを伴い、元気に走ったり遊んだりすることもできなくなってしまいます。
肉球の火傷は軽症でも初期治療をしっかり行わないとすぐに悪化してしまい、場合によっては治るまで時間がかかります。また肉球は汚れが付着しやすいため、火傷をしてしまうとその傷口から重篤な感染症を引き起こす可能性もあります。
どの季節で注意が必要？
アスファルトは、夏場はもちろんのこと春や秋でも日差しが強い日には50℃以上になる場合があります。気温はそれほど高くない日でも、路面の熱さは愛犬のために気にしてあげましょう。
リスクその② 熱中症
犬は人のように汗をかけません。そのため、犬は体温調節が苦手な生き物で、人よりも熱中症のリスクが高いと言われています。
また、犬は人よりも地面との距離が近いので、照り返しの熱気を受けやすくなります。
例えばアスファルトの温度が60℃近くなると、私たちの体感温度は30℃ほどでも、犬の目線の高さでは体感温度が40℃以上になるともいわれています。このように、真夏のお散歩ではワンちゃんたちは上からも下からも熱されることになるのです。
特に「パグ」「フレンチ・ブルドッグ」「シー・ズー」など「短頭種」と呼ばれる鼻の低い犬種は、呼吸による放熱が苦手なため熱中症になりやすいと言われています。また子犬や老犬は、からだの生理機能が未発達であったり逆に衰えていることが多いため、犬種問わず要注意です。
犬の熱中症ってどんな症状？
次のような症状がみられる場合、熱中症の可能性があります。
- ・呼吸が荒く、心拍数も普段より多い
- ・舌や口の中の色が青紫色
- ・嘔吐や下痢がある
- ・落ち着きのない様子
- ・よだれが多い
- ・水を飲みにいかない、ご飯を食べない
- ・ボーっとしている、フラフラしている など
- ・ぐったりしていて元気がない など
熱中症になるとどうなるの？
時間が経つほど悪化していき、対処が遅れると体温が異常に上昇することで脳や内臓にも様々な障害が起こります。 回復したとしても体に受けたダメージにより、数日後に体の機能障害が出る可能性もあります。
重症の場合は脳や内臓の機能障害など後遺症が残ったり、命を落とす場合もあるとても恐ろしい病気なのです。
肉球火傷・熱中症は一度引き起こしてしまうと、取り返しのつかない事態になってしまう可能性も。
大切な愛犬を守るために、飼い主さんが普段から愛犬の肉球や
様子を
よく観察し、しっかり対策する
ことが最も重要です！！
お散歩中の肉球火傷や熱中症を防ぐには？
飼い主さんが、散歩に行く日の路面温度の状況を事前に把握する必要があります。 犬の散歩に行くべきではない時間帯と散歩に適した時間帯をしっかり確認しましょう。
また肉球火傷や熱中症は夏だけでなく、日差しが強く地面の照り返しが強い日などは春や秋でも発症します。夏日が増える5月頃から犬の熱中症は増加傾向にあり、まだ体が暑さに慣れていないため急な温度変化に体がついていけず、熱中症にかかりやすくなると考えられます。春から注意しましょう。
肉球火傷・熱中症対策におすすめ！
路面温度がわかるコンテンツ
犬のおさんぽ予報 
犬のおさんぽ予報とは？
犬のおさんぽ予報では、地面がアスファルト舗装だった場合の路面温度を気象条件から予測し、路面温度予測値と指数を掲載しています。 天気予報と合わせて最大３日先までわかるので、事前にチェックすることでお散歩に最適な時間を計画できます！
指数の凡例
中止 |
ワンちゃんを守るためにもおさんぽは中止しよう。火傷や熱中症で命の危険。 |
|---|---|
危険 |
43℃以上で肉球火傷の危険性大！この時間のおさんぽは避けよう。 |
警戒 |
肉球火傷のリスクあり。念のため路面を手の甲で5秒タッチして安全確認！ |
快適 |
快適におさんぽできそう♪ |
ひんやり |
ひんやりしていて少し冷たいかも。 |
指数は、「ひんやり」「快適」「警戒」「危険」「中止」の5段階。ワンちゃんのアイコンでわかりやすく掲載。
わかりやすいグラフも
1時間ごとにグラフでも確認できるので、「今から散歩に行こうと思っていたけれど、路面温度が高くなりそうだから中止しよう」「涼しそうなこの時間帯に散歩に行こう」など、お散歩の予定が立てやすくなります。
夏場だけじゃない！お散歩や生活での危険
夏場だけじゃない！
お散歩や生活での危険
お散歩はワンちゃんと飼い主さんの絆を深めたり、健康に繋がる大切な時間。楽しいはずの時間が思わぬ事故に繋がることのないように、夏場以外にもお散歩など暮らしの中で気を付けたいことや対策をまとめました。
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