天なびコラム

第6316話

2018年02月11日

日本海の帯状雲

西高東低の冬型の気圧配置が強まると、日本海には筋状の雲がびっしりと広がります。しかし気象衛星の雲画像をよく見ると、その中に「筋状」と呼ぶにはやや太い、帯状の雲域が見つかることがあります。

この帯状雲は日本海の西部、朝鮮半島の付け根に端を発し、南東方向に弧を描いて北陸や山陰地方の沿岸部に流入します。その下では降雪が強まり、一箇所に留まり続けて局地的な豪雪災害をもたらすこともあります。

暖かい対馬海流が流れ込むこの領域は、寒さの厳しい朝鮮半島と、寒流のリマン海流が流れ込む海域に挟まれ、周囲よりも温度が高くなっています。そのためただでさえ雲が発生しやすいところに、風上にあたる大陸の山地を季節風が迂回し、両側から流れ込んで衝突するため、同じ場所で雪雲が次々に発達するのです。

先日の福井県の豪雪も、この帯状の雲が停滞することでもたらされました。五輪が開催されている平昌(ピョンチャン)は厳しい寒さに見舞われているようですが、海に突き出た朝鮮半島のこの寒さが、帯状雲と豪雪を生み出す一因になっています。


執筆者:ヒョウタン