天なびコラム

第8559話

2024年04月03日

信頼に応える

最近乗馬を体験する機会がありました。
大きな体格のサラブレッド馬は乗ると目線がとても高くなり、走り始めると初心者には掴まっているので精一杯なほどの激しいエネルギーを感じました。

人間より大きくて力も強いにもかかわらず、人に慣れて命令も覚えるような動物は多くはありません。それだけに、動物を飼って管理するという立場の責任の大きさもいっそう感じます。
乗馬の後は身体にブラシをかけたり、馬房の中で寒くないように服を着せたり、蹄の中の泥を掃除したりなどの世話をして馬のコンディションに気を遣うことが、働いてくれる馬の信頼に応えることにもなります。

馬に乗った次の日、朝の通勤電車のドアが開いてぞろぞろ並んで歩いていく自分やまわりの人々を見ると放牧の様子が連想され、もし人間が何か他の生物に飼われて働く立場になる日が来たとしたら、寒い日にはちゃんと上着を着せてくれるような飼い主だといいなと思ったのでした。



執筆者:みみた