天なびコラム

第8574話

2024年04月18日

インド洋ダイポールモード現象

先日、天気予報などで使われる予報用語が改訂されたというニュースがありました。
予報用語は、天気予報が誰にでも正確に伝わるように気象庁が定めているもので、「明確さ」「平易さ」「聞き取りやすさ」「時代への適応」の4つの観点から決められているそうです。
天気予報でよく使われている「一時」「時々」や、「未明」「明け方」などの時間細分、雨・風の強さの表現などが細かく決められていて、気象庁のウェブサイトに公開されています。

その中で、今年の春に追加されたのが、「熱中症警戒情報」「熱中症特別警戒情報」「乾いた雪」「インド洋ダイポールモード現象」の4語です。
「熱中症警戒情報」と今年度から運用が開始される「熱中症特別警戒情報」、また「乾いた雪」なら聞いたことがあるか、何となく想像がつく方が多いのではないでしょうか。
一方で、「インド洋ダイポールモード現象」はあまり聞き慣れない言葉だと思います。
インド洋ダイポールモード現象(IOD現象)は夏から秋(6〜11月)の間に発生する現象で、インド洋熱帯域の海面水温が南東部で平常より低く、西部で平常より高い状態を「正のインド洋ダイポールモード現象」と呼び、日本付近に高温をもたらすと考えられています。
ちなみに、昨年は全国的に高温となりましたが、夏〜秋にかけて正のIOD現象が発生していたようです。

日本付近での異常気象の要因として「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」は広く知られていますが、これからは「インド洋ダイポールモード現象」も天気予報で使われることが出てくるかもしれませんので、興味があったら是非調べてみてください。


執筆者:だりあん