天なびコラム

第8579話

2024年04月23日

空港への珍客

このところ、長崎空港をたびたび利用しています。
この空港は大村湾にあって、施設は海に囲まれています。セントレアや関空のような、いわゆる「海上空港」というものですね。空港島には橋を渡ってアクセスするほか、湾を突っ切る高速船も運航されています。

そんな長崎空港ですが、ターミナルを出て駐車場に向かうと「たぬきにエサを与えないで」の看板が立っています。なんとこの空港、タヌキがやって来るというのです!
そういえば以前、函館空港に向かったときにもキツネがいるので上空待機、なんていうことがありました。
タヌキやキツネも飛行機でおでかけするのでしょうか?

函館は動物大国の北海道なので納得することにして、長崎空港は海上空港なのにどうやってタヌキが住み着いたのでしょう?
気になったので調べてみると、そもそもこの空港島は完全な人工島ではなく、箕島という自然の島があったところを造成し、整地や埋立で空港へ変身させたものだというのです。そう言われてみれば、低いながらも山がありますし、地図でみた時のいびつな形は自然の海岸線が残っていたというわけですね。なるほど、タヌキは元から島に住んでいたようです。

動物に会えると聞くとちょっと期待してしまいますが、そんなのんきなことではないのです。小動物と航空機の接触事故にもなりかねません。
空港に限った話ではありませんが、動物たちの棲みかに人間が施設を造るとき、その立地や運用はよくよく考えなければならないなぁと肝に銘じるタヌキ看板との遭遇でした。


執筆者:きぼりぐま