天なびコラム

第6247話

2017年12月04日

イチョウ

金色の絨毯が見られ秋の深まりを知ると同時に、どこか寂しさを感じる今日この頃。

イチョウの紅葉した葉は秋の終わりを告げるかのように、一気に舞い散る。特に風の強い日は、黄金の葉が空中を大きく羽ばたきながら滑空し、最後には地面に不時着する。ずっと眺めていても飽きない光景である。イチョウが最も美しく見えると私が思うのは、快晴の夕方に近い時間帯である。斜めから差し込むやや赤みを帯びた太陽光は、黄金のイチョウの葉を際立たせているかのように思われる。これらを眺めていると、間もなく襲来しようとしている厳しい寒さを私たちに警鐘を鳴らしているかのように、ふと思うのであった。

イチョウの警鐘の如く、これからの到来する冬の寒さに少しずつ身体を慣らし、今年の冬も越したいものである。


執筆者:阿波狸